【職業教育の未来を考える特集】 あなたの勤める専門学校は、誰に、何を、どんな風に教えていきますか? 「職業教育の未来」のために、専門学校が今やるべきこととは?(第二回)

キャリアマップ事務局

第一回で「教育の質の現状」について伺ったのに引き続き、九州大学名誉教授・滋慶医療科学大学教授の吉本圭一先生にお話を伺います。今回のテーマは、「教育の質」を高めるための、「先生たちのスキルアップ」についてです。

 

第二回テーマ :「教育の質」を高めるための、「先生たち」のスキルアップ
■職業実践専門課程と「専門学校の先生たち」のスキルアップ・キャリアアップ
■研修内容を大幅に改定。職業のプロに、教育プログラムの理解を促す
■求められる小規模専門学校への支援

 

■職業実践専門課程と「専門学校の先生たち」のスキルアップ・キャリアアップ
職業実践専門課程の認定基準には、【教員の資質向上について】という項目があり、「教員に必要な専攻分野における実務に関する知識、技術及び技能並びに、指導力の修得・向上を目的として、企業等との連携の下、研修を組織的に行っていること」とあります。これは主に教員のスキルアップを促すものですが、これだけではなく、初任時の教育育成の研修と、中堅への能力開発をセットで行うことで、教育の質は担保できると考えています。というのも、この課程ができる際に、教員の要件・研修等については議論し尽くせていない。これもまた、制度のあいまいさによるものです。これまでお話してきたように、現在の専門学校は、高等教育と中等教育のどちらにも「またがった」ような「制度のあいまいさ」の上に成り立っており、制度上準備されているものと実際に求められているものに差異があります。教員要件に関しても、博士号等の研究能力を核とする大学とは、そもそも求められるコンセプトが違いすぎる。かといって中等教育教員のように職業経験のない若年学生への時間をかけた体系的な教職課程も用意できない。まず必要なのはプロとしての実務なので、それを持っている人たちにその教育指導の方法を示す。そこに時間を割くべきなのは明らかです。そこで、専門学校固有の新任教員養成課程が必要となります。大きなグループをなす専門学校等では、すでに自前の研修制度を持ち、実施されているところもあります。しかしすべての学校がその必要性を理解して、またそのノウハウを蓄積し実施しているとは言えません。また小規模で自前の研修が用意できないという学校も当然あります。その場合は、「職業教育・キャリア教育財団」が行なっている新任教員研修があるのをご存知でしょうか。全国専修学校各種学校総連合会傘下の各都道府県協会で研修が実施されていますが、県内の学校数が少ない等の理由で開催できない地域もあり、そうした県の学校では、開催されている他県で受講することも可能となっています。

 

■研修内容を大幅に改定。職業のプロに、教育プログラムの理解を促す
以前は、教育学と教育心理学を中心とした研修が行われていましたが、私は、職業教育をベースとする専門学校においては、「職業のプロ」に「教育プログラムを理解し、そのプロになってもらう」ことが重要だと考えています。東京都専修学校各種学校協会では、2020 年に、新任教員研修の内容を大幅に改定して、専門学校の教員を養成するための教育課程の充実を目指して、「専修学校教職員ハンドブック」を作成しました。東京都専修学校各種学校協会で作成したハンドブックは、五部構成です。
第一部:専修学校と制度
第二部:専修学校における職業教育、専修学校教育のあり方と授業実践
第三部:学生・教員のための実践心理・指導
第四部:学校のマネジメントと教職員の協働
第五部:各領域での実習・演習の紹介


東京都は学校数が全国最多なので、広い範囲の今日的課題が集められます。そこでテキストとしてもいち早く今日的課題を反映し、特に各領域の職業実践専門課程の実践事例紹介などを盛り込むことができました。ハンドブックの構成として、学校の役割の認識から、教員として必要な教育・指導スキル、生徒指導にかかる教育心理学・カウンセリングの知識・スキル、そして教科マネジメント・教室マネジメントや、教職員の役割が分離しづらい小さな学校組織での協働についてまで、幅広く実際に即した知識を得られる構成となっています。

 

■求められる、小規模専門学校への支援
教育の質の保証ということからお話をしてきましたが、専門学校が、質を保証して職業実践に関して卓越した高等教育機関であるために、「職業実践専門課程」ができました。現在、当該課程は全国専門学校の4 割になっています。しかし、私の期待としては7 割くらいになってほしい。職業実践専門課程が7 割くらいになれば、デファクトスタンダードとして、職業実践専門課程が専門学校の標準であると主張できると考えています。そのためには、まずはすべての職業実践専門課程が要件をしっかり充足することが必要で、特に教員への初任時研修・中堅への能力開発研修が欠かせないものとなってきます。しかし現実問題として、90 分×25 回という講義を、仕事しながら受けさせることは、小さな学校現場としては厳しい場合もあるでしょう。そこはぜひ各都道府県の協会等から支援する形で、全国の専門学校新任教員のみんなが受けられるものとしていくことが望ましいと考えています。
東京都専修学校各種学校協会の場合でも、以前は全て対面講義だった研修ですが、コロナ禍を受け、せっかくハンドブックを刊行した2020 年度には研修は中止となりました。そこで2021 年度にはオンライン実施もスタートしています。オンラインを活用することで、特にマンなどもっとけやすい用することで、内容的にも及度についてももっともっと充実させていきたい。職業教育の未来を描くために、新しい「教員の能力開発」はもう始まっているのかもしれませんよ。

財団法人 職業教育・キャリア教育財団

https://www.sgec.or.jp/index_new.cgi

 

【一財団法人 職業教育・キャリア教育財団による新任教育研修】

●研修科目と履修時間・内容

・ 1履修時間は45分とする。
・ 総合自由科目は、他教科へ振替えることができる。

「専修学校教職員ハンドブ

https://tsk.or.jp/documents/publication.php?p=1

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