改めて考えてみましょう~自己分析のこと(その2)

キャリアコンサルタント/大阪人間科学大学キャリアデザイン講師西沢 敏美

★その前に毎回共有しておりますが、2021年卒就職活動最新状況について・・・

⓵リアルな就職活動は未だ難しい状況~オンライン就職活動の準備をしっかり

5月25日に新型コロナウイルス感染拡大による「緊急事態宣言」が解除されましたね。ただ、経済活動や生活行動などが一気に元に(感染流行前に)戻るのは難しいでしょう。

所謂「就職活動協定」では、6月から学生の就職活動(企業の採用活動)「選考活動(筆記試験、面接など)」が解禁になります。これは主に大学生採用に関してです。専門学校の学生は例年、この時期から会社説明会(会社見学会)の申し込みなどが動きます。

でも、ご存じの通り、多くの会社(店舗も含む)が「リアル」な会社説明会、会社訪問などが出来ない状況ですね。

そんな状況ですから、1回目のブログで記した「WEB(オンライン)活用」が、私が思っていた以上に拡がってきているようです。「WEB面接だけで内定を出す」ケースも増えていきそうです。もちろん、企業のホンネは実際に学生さんと会って決めたいでしょう。それが可能な事態にならなければ・・・という事でしょう。

WEB(オンライン)対応の端末や通信環境など準備はしっかりしておきましょう。

②企業の採用意欲、今は予定通りだが・・・

ニュースなどでご存じと思いますが、全日空(ANA)、日本航空(JAL)が2021年卒採用活動を今後見合わせることを発表しました。因みに、この時点で内定している学生は採用されます。

このような動きはどこまで広がるのでしょうか?
いくつかの企業向けアンケート調査発表を総合すると、採用は計画通りが7割前後という感じです。
ただ、コロナウイルス感染流行による経営へのダメージは当分続きそうです。特に観光産業関連企業は外国人の来訪が激減(4月は前年比99.9%減!)などで、厳しい状況が長引きそうです。その事が採用にどの程度影響があるのか・・・です。

因みに、私がお世話になっている会社様は「(大企業に比べて)中小企業である我が社はこれまでは良い人材の採用が難しかったけど、今こそ良い機会と思って採用は行う」とのこと。

このような状況を受けて専門学校生の今後の就職活動のポイントは;

  • 上述の通り、オンライン会社説明会や面接への準備をしっかりしておくこと
  • 応募する企業レベル(大企業、中小企業)の幅を広げること
  • 就職活動期間が長くなると思っておくこと

~~~などが言えそうです。
その辺りの具体的な助言などを、今後も当ブログでお伝えしていきたいと思います。
それでは、今日の就職活動テーマ「自己分析その2」です。

(1)自己分析で難しいのは「内なる自分」の分析と理解

前回も紹介したように就職活動において向き合う「自己分析」の対象は主に下図の3つです。

専門学校生の皆さんは、文字通り「ある領域の専門知識、専門スキル」を得たくてその学校、学科を選んで頑張って来られました。その線に沿って希望する業界、職種もある程度は決まっている方が多いかと思います。
下図でいうと「WILL(したいこと)」「CAN(得意、出来る)」はある程度は自己理解されているだろうと思いまます。

※但し、専門志向が過剰になると視野が狭くなる恐れもあります。自分の専門性を緩やかに広げてみることも大事にしてくださいね。

mustイメージ

そして、残る1つが「MUST(大切にしたいこと)」です。このMUSTが最も難しい~と、私は思っています。

(2)MUSTは2つに分けて考えよう

⓵定量化(数値化)出来るMUST

例えば、会社選びであなたが大切にしているのは何かなどは下図のような図形で考えてみると良いでしょう。自分が大事にしたい事(要素)を文字にし、スコア化(下図は5段階評価)してみるのです。
(尚、福利厚生には休日などが含まれます)

会社選びで重視する度合い図

そして、就職活動の中で新たな気付きがあって図の項目(要素)が増えていくこともあるでしょう。

また、大事度合いが変化していくいこともあるでしょう。それを記録に残していくことで、自分のMUSTが一層理解できていきます。前回も記しましたが、就職活動の前の自己分析=自己理解度合いは「6割程度」でOKなのです。
就職活動を通じて、自己分析の「PDCA」を回し、自己理解度合いを深めていくようにしましょう。

②内なるMUST

内なるMUSTとは何か?
それは前回の終わりに記した「仕事の成果=環境×能力×意欲」の「意欲」のことです。
まず、この成果創出の法則の各要因を簡単に説明しましょう。

・環境

例えば、景気の良し悪し、競争相手の強さ弱さ、社会的なブームの変化・・・などです。
今回の新型コロナウイルス禍も環境要因です。

環境について、個人ではどうする事も出来ないのが多いです。その中で、環境がどう変わっていくかを読み取って適切に対応していくことが大事になります。

・能力

仕事(働く)において能力は3つで出来ていると考えます。

mustイメージ
  • 知識=必要な理論を知っている
  • スキル=理論をもとに機械、器具などを操作してカタチに出来る
  • 態度=マナーある行動が出来る。周囲への気配りが出来る


能力、その上がり方は人によって異なりますが、仕事体験が進むと共に上がっていきます。
昨日は出来た事が、今日になったら急に出来なくなる・・・なんて事はないでしょう。

・意欲

やる気ともいいますし、英語ではモチベーションと云います。
意欲(やる気)は高い事に越したことはないのですが、ずっと高いという方はいないでしょう。
私自身も自分の意欲のアップダウンを上手く管理調整出来なくて苦しんだことが何度もありました。

この意欲(やる気)、あなたの「やる気の源(みなもと)」が何か、どういう状況だとやる気になるのか(あるいはやる気が低下するのか)が分かると「仕事の仕方(進め方)」を適当に選ぶ事につながっていきます。

<ケース事例から意欲の意味をとらえてみましょう>

★ファミレスで働いているAさんとBさん;
Aさんは接客が大好きで「お客様の美味しいという声を聞く」ことが楽しくて、嬉しくて仕事をしています。
一方、Bさんは「どんどんお客様に来てもらって店の収益が上がること」に働きがいを感じています。
ある時店長が二人を呼んで「これからもっと店の生産性を上げていきたいので、接客にあまり時間をかけないように」との指示が出ました。
これを聞いたAさんは接客を十分に出来なくなる事で楽しく感じられなくなるかもしれません。


AさんもBさんも接客という仕事の内容(求められる行動、言動)は同じです。前述の法則でいうと「能力(発揮)」ですね。同じ事をしているのですが、Aさんは意欲(やる気)が低下していくのではないでしょうか。
内なるMUSTの大きな1つが「意欲」ということ、お分かり頂けましたか?

(3)意欲の正体

仕事の成果に大きく影響する事は分かっている意欲(モチベーション)、心理学では「動機付け」とも言います。動機付けは2つに区分されます。少し難しいかもしれませんが紹介しておきたいと思います。

名称内容
A.外発的動機付け強制や懲罰、評価、報酬など環境的(外的)要因となって動機付けられることです。
B.内発的動機付け物事に興味や関心を持つことで意欲が沸き起こり、達成感や満足感、充実感を得たいという、人の内面的な要因によって動機付けられることです。

2つの意欲/動機付けで「内発的動機付け」は皆さんの内にあります。
それが生かされる仕事の仕方(スタイル)と適合度が高くなれば、きっと楽しく頑張れるでしょう。先ほどのケースのAさんのように・・・

このように仕事成果に大きく影響する意欲/動機付け~特に内発的動機付けです。
ご自分はどういう内発的動機付けを持っているのか・・・それが少しでも分かれば、仕事を選ぶ時の大事な要素になるでしょう。
ただ、調べるのは簡単ではありません。私が学校の授業や、会社の研修で行う「イキイキライン」が少しは役に立つかもしれませんので紹介させて頂きます。

イキイキライン図

「ライフライン」と云われて自己分析では良く活用されるフォーマットに似ています。

あなたの学生生活のイキイキライン(曲線)をたどってみると、そこにあなたの「やる気源」が見えてくると思います。逆に「やる気低下(喪失)源」も見てみましょう。

因みに、私・西沢の内発的動機付けは「人間関係構築欲」です。人から感謝されたり、人の成長に関われた実感が「やる気源」と思っています。

自分の「内なるやる気源(内発的動機付け)」を使える仕事ならきっと充実感も多いはず。良く言われる「やりがいがある」というのはそういう充実感が沢山得られる仕事なのかなと思います。

~~~~

2回に分けて就職活動で大事な自己分析について記させて頂きました。
就職活動前の自己分析は「6割程度」の成果(自己理解度)で良いと申しました。そして、深刻にではなく、楽しんで向きあえたら良いですね。

自己分析は、見方を変えれば、自分のここまでの「物語」を作るようなものです。
その(物語の)素材は自分のなかにもあれば、外にもあります。
外・・・例えば、親御さん・友人・先生などです。そういう方々からご自分の事を聞いてみましょう。
きっと面白い自分物語の素材があって、それが自己理解に楽しみをもたらしてくれると思います。

この記事の著者

キャリアコンサルタント/大阪人間科学大学キャリアデザイン講師西沢 敏美

経歴
  • 1954年(昭和29年)6月秋田県生まれ、明治学院大学法学部卒業
  • 1978年株式会社リクルート(当時日本リクルートセンター)入社
    住宅情報事業部、ホットペッパー事業部、メディア制作局などで営業職、企画編集職、管理職などを歴任
  • 2002年1月リクルートグループの人材紹介会社=リクルートエージェント=転籍 2002年1月リクルートグループの人材紹介会社=リクルートエージェント=転籍
  • キャリアアドバイザー職として就職、転職の支援を行う
  • 2004年末リクルートグループを退職し、2005年から人事系コンサルタントとして自営
  • 「新入社員導入研修」「リーダーシップ」「キャリアデザイン」「モチベーション」「コミュニケーション向上」など
  • 『対人・対自分スキル領域』で研修講師やセミナー運営を実施。
  • 他に 「人事制度のプランニング、導入、運用の支援」 「会議のファシリテーション」「コーチング」など。
活動実績
  • 企業の新卒採用の企画と支援
  • 採用セミナー(会社説明会)の企画立案と運営支援、インターンシップの企画立案と運営支援、事後フォロー
  • 人事に代わって一次面接実施、内定者フォロー企画など
  • 企業の人材育成研修企画立案とファシリテーターやトレーナー
  • 「新入社員導入研修」「中堅社員基礎研修」「キャリアデザイン」「リーダーシップ」「モチベーション」「チームビルディング」「マネジメント」などでプログラム作成から研修進行(トレーナー)、そして研修後の個別面談などを実施。※2019年の研修実施(受講)者数は約200名
  • 人事制度設計&運用支援
  • 大学関連大阪人間科学大学(大阪府摂津市)にてキャリアデザインⅠ&Ⅱの非常勤講師(単位認定授業)13年目
  • 他に大阪府立大学キャリアサポート室にて就職活動支援業務なども経験
資格

◆GCDF認定キャリアカウンセラー養成講座受講完了(2002年)(※キャリアカウンセラー資格は更新せず喪失)
◆西沢ファーム(和歌山県かつらぎ町の実家/農園)での研修実績
農作業体験を取り入れて企業の内定者研修、チームビルディング&チームワーク研修も実施 ※現在は事情あって開催停止しております

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