就活お役立ちブログ
2020/6/16
就活の基礎知識

面接で「お金のこと」を聞くのはタブーなの?人事歴20年のミッチーが解説します

就活のお助けマン堀越マサミチ

お金の悩み

「お金のこと」を就活で聞くのはタブーと思ってませんか?
聞き方次第で自己PRにもなる技がありますよ。

「そりゃ、カネのためでしょう〜〜!」

先日、たまたま観たテレビの深夜番組で、元SMAPの中居正広さんが、就活生から「何のために働くのか?」という質問に返した一言だ。

番組は「リモート飲み会」をしながら中居さんが就活生たちの質問に答えるという設定だったが、中居さんからの(恐らく)想定外な回答に、驚いた就活生の表情が印象的だった。

きっと質問した就活生らは、中居さんの口から「自分の成長のためでしょう!」、「社会に役立ちたいってのが一番じゃない?」、「自己実現だよね!」… こんな「理想的な答え」が出てくることを期待していたのかもしれない。

「働く」ということは、言うまでもなく社会や人の役に立ち、その対価として「お金」を得ることだ。
お金を得ないのであれば、それは「ボランティア」だったり、「趣味」である。

もちろん、就活生はそんなこと百も承知の上で、「お金の為だけではない『何か』があるはずだ…」、「芸能界で大活躍する中居さんの働く意義は何なのか?」それが聞きたくて質問したのだろう。

しかし返ってきた答えはあまりにキッパリとした「そりゃ、カネのためでしょう〜」だった。

その答えに対して、「じゃあ、中居さんは今の年収いくらなんですか?」とか「どこまでお金を稼げば満足されるのですか?」という質問は残念ながらなかった。
あれだけの売れっ子芸能人がどれぐらい稼いでいるのか、興味があるところだったのだが…

●面接で「お金のこと」を聞くのはタブーなのか?

給料の悩み

「面接で、給与のことや残業代のことって、聞いてもいいんでしょうか?」

学生さんから時々このような質問を受ける。

きっと心のどこかで「お金のことを聞くなんてハシタナイ」、「面接官の心象を悪くするのでは?」という心理が働いているのだろうか。

実際、会社説明会や面接の場面でも「残業代はきちんと貰えるのでしょうか?」、「御社の平均年収は?」・・といったお金に関する質問を受けることも少ない。

もちろん、きっちりと自分でリサーチしてきている人が多いのかもしれないが、案外、メディアで流れるお金がらみの悪いニュースのせいで、「お金=汚い」といったイメージが根付いているのかもしれない。最近は若年層への「マネー教育」が必要との声も出ているようだ。

「いまの内定先に就職することを決めた理由」アンケート結果の上位には、
「会社の雰囲気」や「職種・業界・勤務地」、さらには「企業の安定性」といった項目が並ぶ。

「給与」と回答した割合は2.4%(8位)とかなり少数派だ。(出典:「新社会人白書」2017/3/12 マイナビ学生の窓口)

一方で、「退職理由」を調べたアンケート結果のベスト3は、
1位が「給与が低かった(39%)」である。
2位に「やりがい・達成感を感じない(36%)」
3位が「会社の将来性に疑問を感じた(35%)」
とくる。
(出典:「8,600名に聞いた『退職のきっかけ』調査」2018/04/12エン・ジャパン)

「給与」は仕事への対価、でありその人に対する評価である。
「お金が全てではない」とはいえ、社内の同期や、他の会社に勤める友人と比べて、自分の給与が安いと知れば、「こんなにも頑張っているのになぜ‥?」と感じてしまう。

それは
「給与が低かった」という退職理由の裏には、「自分の仕事が認められていない」、「正当に評価されていない」という不安や不満があるのかもしれない。

以前、若者の就労支援をしている友人からこんな話を聞いた。

「給与に毎月30時間分の残業代が含まれていることを知らずに就職して、『たくさん残業しても、残業が少ない月も、給与が変わらないんですよね… なんだか続けていく気かなくなってきました。』と相談してきた子がいるんですよ」と。

このような話を聞くと少し残念な気持ちになってしまう。

ひとつは、まだまだ就職活動の段階でよく給与のことを調べないまま、理解できていないまま入社して、このような不満につながっているのだなぁということ。

もうひとつ、長時間働くことで多くのお金を稼ぐというスタイルはこれからの時代に果たして求められているのか、ということだ。もちろん、残業した分はきっちりとお金が払われなければならない。

しかし、これからは高い生産性で効率よくアウトプットを出せる人が評価される時代。
もし、「私は人より効率的に仕事を仕上げて、短時間で成果を出しているのに、なぜ毎日残業している人の方が結果的に給与が多くなるのでしょうか?」という相談だったら、「おっ!やるな!」と感じただろう。

とはいえ、就職後に「給与」のことでミスマッチが起こることは残念だし、お金のことであれ聞くべきことは聞き、調べるべきことは調べた上で就活に臨んで欲しい。

●気になるお金のこと、何をどう聞けば良いの?

疑問を抱く学生

一番のポイントは、「なぜそのことが気になっているのか?」を自分自身が理解した上で聞くことだろう。

例えば、「30歳の平均年収ってどのぐらいですか?」と聞くのと、「私が御社に就職できたら、長く勤めて貢献していきたいと考えているのですが、30歳での平均年収はどのぐらいでしょうか?」と聞くのでは相手が受ける印象は違うし、「なぜ自分がその点が気になっているのか」という意図も伝わるだろう。

また、「御社の求人票を拝見している中で、この部分がよく理解できませんでした。少し詳しく説明していただけますか?」と聞けば、きっちりと調べてうで聞いているという姿勢が伝わるし、企業側にとっては「あぁ、学生さんにとっては、ここの表現が分かりづらいのだなぁ」という気づきにもなる。

つまり、もし面接官から「なぜそのような質問をされるのですか?」と問われても、「私はこのような理由でお聞きしました」と答えられることができれば心配ないということだ。
これはお金のことに限らず全てのことに当てはまる。

間違っても、「何か質問はありませんかと言われたので聞いてみました…」とならないようにしたい。

●募集要項に書いているお金の意味、ちょっとマニアックに知ってみよう

給与明細

お金のことは、ほとんどが「求人票」や企業のホームページの「募集要項」などに記載されている。
ただ、学生の皆さんからすると聞きなれない言葉も多いと思うので、以下のポイントをいくつか記載するので、気になる点はしっかりと調べておこう。

「給与」の金額は、企業によって何をどこまで含んでいるのか異なるので詳細を確認しよう。

中には「固定残業代XXX円(XX時間分)を含む」と記載されている場合がある。その時間を超えるまでは残業代は出ないということだ。

「昇給/年1回(4月)」とは、毎年4月定期的に給与が一定額上がりますよということ。企業によっては「昨年度の社員平均XXX円」とわかりやすく書いてくれている企業もある。

「賞与/年2回(6月、12月)というのは、いわゆるボーナスが年に2回、6月と12月に支払われますよということ。金額などは企業の業績により異なるので記載もそれぞれだが、例えば「前年度の新卒者の場合、年間Xヶ月」と親切に記載しているところもある。

他にも自宅から職場までの通勤が遠くなりそうな人「交通費」についても見ておくと良いだろう。例えばは、「交通費/上限月XXX円まで支給」というケースがあるので、採用されてから「あれ?こんなに自分で負担しなきゃいけないの⁈」とならないようにしたい。

企業研究をしていると、ついつい自分が志望する企業や周りから勧められた企業のことばかり熱心に調べてしまうが、それでは情報や知識が偏ってしまう。
異業種、他の企業も参考に調べてみることで「あれ?こんな制度があるのか!自分の志望先はどうだろう?」と気づくこともあるのでぜひ実践して欲しい。

●「足るを知る」

学生

さて、今年はこれまでとは全く違う「コロナショック」の中での就職活動だ。

多くの就活生からすると、「なんで今年に限って!」、「こんなはずじゃなかったのに…」と文句や愚痴の一つも言いたくなるだろうし、「就活が去年だったら」と言った声が聞こえてきそうだが…

皆さんは、「足るを知る」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

この言葉は、決して「現状で満足するのが良い」という意味ではなく、「足るを知る」ことができれば精神的に幸せになれて、物事を見極める余裕が持てる。前向きな行動につながり幸福感が増す、私はそう理解している。

このような状況でも、いやこのような状況だからこそ、就活生の皆さんにはこの「精神的な余裕」が必要だと感じる。繰り返すが「のんびりやればいい」という意味ではない。

もし現状を悲観的に捉えている人がいたら、ぜひ「足るを知る」を思い出し、応援してくれる人がいて、支えてくれる人がいることに感謝し、前向きな気持ちを取り戻して就活に臨んでもらえると嬉しい。

そして、コロナショックの中での就活だったからこそ「お金だけではない自分なりの『働く意味』も見つけられた!」という人が出て来ることを期待しながら、皆さんの活躍を心より応援しています!
「聞けなかったから」退職したい、のではなくて、「認められない」ってことが問題だった、ということは、学生にはわかってもらいたいです。

プラス、「残業してお金を多くもらうこと」というのは既にオールドタイプな考え方ですよね。今や、自身の出すアウトプットの質が自分の評価だし、お金にかわる。それが短時間で出せる人ほど、価値がある。つまり「お金を対価としてもらう」考え方自体が変化している、ということは伝えてもいいはず。

この記事の著者

就活のお助けマン堀越マサミチ

経歴

大学卒業後、大手インフラ系のグループ会社に新卒で入社。

その後、同系列のグループ会社に転職。人事、労務、経営企画などの業務を経験。

中でも人事はトータルで20年以上従事。

活動実績

採用、教育、人事制度の構築などの幅広い経験を持つ現役の企業人事マン。

その傍ら、キャリアコンサルタントとして学生の就活支援、若手社会人のキャリア形成、最近では中学生のキャリア教育プログラムにも登壇するなど、企業の人事として「採用する側」と、キャリアコンサルタントとして若者の就職を「支援する側」の両方を担う立場として活動中。

趣味は旅行と読書とサッカー。特にサッカーは休日のほぼ全てを中学校サッカー部の外部コーチとして指導を行い、Jリーグや日本代表の試合にも足繁く通う日々。

家族は妻と2人の息子、愛猫が2匹。

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