オンライン面接でも「目は口ほどにモノを言います」

キャリアコンサルタント/大阪人間科学大学キャリアデザイン講師西沢 敏美

(1)はじめに

就活する学生

暫くの内に…あっという間に10月になりました。新型コロナ感染再拡大、猛暑…大変な夏が過ぎ、感染も少し落ち着き、「Go toキャンペーン」も本格稼働の秋になりましたね。

私事ですが、前期の大学講師の授業~8月中旬までかかり、全てWEB方式で終了しました。「オンライン」という語感ともちょっと違う~画像(ビデオ)で学生さんとのやりとりはなく、WEB(大学専用ネットワーク)で送受信するものです。
Q&Aコーナーもありましたが、文字(文章)だけでのやりとりでした。それでも、学生の皆さんは一生懸命に課題に取り組んで下さいました。1年生がメインの授業でしたが、授業回経過とともにパソコン&ソフトの操作力が高くなっていく~その姿勢に感動しました。

専門学校の授業は実技、実習系が多いですから、皆さんはもっと大変だったのでしょうが、きっと努力で乗り越えてきたと信じています。

さて、2021年卒の就職活動はどうなっているでしょう。
現時点で最新情報としてリクルートキャリア発表の大卒対象の調査(8月1日時点)があります。

◆内定率は81.2%(前月比8ポイントアップ、前年同期比マイナス10ポイント)

新型コロナ感染禍の中では思った以上に良く推移している~というのが私の感想です。この81.2.%は2017年卒採用と同じレベルで、同年は最終的に95%でした。

●大卒求人倍率は1.53

これは10~12年前のリーマンショック、東日本大震災辺りの「1.3倍」を上回っています。

今回のコロナ感染による経済の落ち込みはリーマンショックなどを上回るとされますが、企業の求人意欲はそう下がっていないという事ですね。

●就職活動(=企業の採用活動)分類ではWeb面接が大変多くなっている

「Web上で面接を受けた」は前年の14倍に、「Webによる会社説明会などに参加した」も同じく8倍になっています。一方「対面での面接を受けた」は-25%など。

7月からの感染再拡大で企業サイドはWeb(オンライン)での採用活動に一層シフトしたのでしょう。

大卒の活動から時間的に少し遅れて始まる専門学校生の就職活動はどうでしょうか。
統計的なものは入手出来ていませんが、上記の記事からの推測も含めて思うのは;

  • 企業の求人意欲は大きく下がっていないことから、専門学校生に対してもそうであろう(期待も込めてそう思う)
  • Web採用が一層広がり、対面での面接時以上に「書類(ポートフォリオ、エントリーシート)」の重要性が増すだろう(Web面接はその人数をそう増やせないこともあり、書類選考で多少は面接者を絞ることもある)
  • 就職活動(企業の採用活動)は昨年より長くなりそう

Webによる就職活動では実際に会社・職場の雰囲気が分かり難く、内定の受諾に迷う方も多くなりそう。また(実際はそう多くはないのですが)採用を打ち切る、内定取り消しもあるのでは…という不安から内定をもう少し多くしておきたいという学生が多いかもしれない

~~~
などを思います。

いずれにしても、企業においてはテレワーク導入(自己管理、自己管理スタイル)や社内での集合研修の実施が難しい事などから「自律的で専門度の高い学生の採用」が支持されていくように私は思います。

ご自分の専門性を再度磨き上げると共に、モノゴトに自律的に取り組む姿勢をアピールする準備をしておきたいものです。

(2)エゴグラム(自我状態)を就職活動に役立てる

個性イメージ

前回(第5回)で紹介したエゴグラム診断に取り組んで頂けましたか?

未だ診断をされていない方は以下のURLで取り組んでみましょう。

自我状態診断:https://commutest.com/egogram/

さて、下図(サンプル)のようなグラフが出てきたと思います。では、各棒グラフの最上位を線で結んで下図のようにして下さい。

グラフ

◆その前にエゴグラム(自我状態)とは何かですが・・・

上記診断のサイトでも紹介されていましたが、心理学のトピックですから、読みこなしが難しいです。
簡単にまとめますと、以下のようになります。

egogram

このエゴグラムは性格診断の一類ですが、私は企業研修や大学の授業で、このエゴグラムを「ノンバーバル(非言語)コミュニケーションスタイル診断」に応用しています。

◆まず、エゴグラムの“グラフの形”と呼称について

エゴグラムは上図のように折れ線のカタチによってタイプ呼称があります。

私はこれまで企業研修や大学の授業でこのエゴグラム診断を実施し、拝見してきました。その人数は数千人になっていると思います。
様々なタイプがありますが、比較的多いタイプ(グラフ形)があります。まずはそれを紹介したいと思います。

肯定的に機能した場合否定的に機能した場合
M型グラフ社交家というのは「人と交流するのが好き、得意ということ」です。初対面の人にも積極的に話しかけ、笑顔が絶えなくて場を明るくするバイタリティーがあります積極さが過剰になると厚かましい印象を与えたり、騒々しく自己中心的な印象を与えます。特に中央の「A」が6以下の場合はその傾向が強いので、間をとって周りの様子を確かめるように心がけましょう。
N型グラフ別名ナースタイプとも称されます。優しく、思いやりに長けています。自分のことはさておいて人の想いや意向を大事にします。慎重、安全第一で粘り強いのも強みです。控え目ですので、自分の意思表示を強く言う、押し通すが苦手です。怒り感情を上手に出せない代わりに「拗ねる(すねる)」といった態度が出たりします。言いたい事はちゃんと言うのも大事にしましょう
への字グラフこの「への字型」は日本においては理想型の1つとされます。周囲との調整を行いながら、自分の意見と相手の意見の両方を大事にします。例えば、クラブなどのキャプテンにも向いているタイプです。調整・調和過多になると「あちら立てればこちら立たず」というように板挟みになることもあります。調整が上手くいかない場合は自分の意見をしっかり出す勇気のようなものが必要です。
台形型グラフ別名マイペースタイプとも呼称されます。自分の興味関心事を最優先し、自分のやり方で好きな事に集中します。好奇心・創造力が高い方が多く、例えば、クリエイターに向いているとされます。マイペースが悪い方に作用すると、周囲との関わり(協力、支援)が少なくなり、自分勝手と思われることがあります。チームワークに対して意識をしっかり持って、支援の提供、支援期待を発するようにしましょう
逆N型グラフボス=リーダータイプとされ、集団を力強くまとめ、統率する事を指向します。責任感が強く、困難な局面でもなんとか打開していこうという覚悟を持っているし、保護力もありますので、そういう点が頼りにされます。自己主張力がある一方で、自分の意見を押し通すことが多いです。左図のようにCP&Aが高いとスキがない言い方、態度になり、威圧感を与えたりします。相手の話を笑顔で聞くようにしましょう。
W型グラフ一生懸命タイプともいわれ、強い責任感を自分に課し、ちゃんとやることをとても大事にします。安易に自分と妥協はしたくない、楽することはいけないという信念を強く持っています。責任感が過剰になると、良い加減でOKに出来ない。その事がストレス状態になることもあります。直感で判断することもあって良いと思うようにしましょう。また、自分への優しさを大事にするのも忘れないように

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他にも「お袋さんタイプ」「楽天家タイプ」「自己中心タイプ」「和みタイプ」などがあります。 そんな中で、私の経験では6~7割は上記のタイプ系統になるようです。
上記タイプの変形(派生)タイプはありますが、そこまで細かく解説出来ない事をお詫びします。

(3)エゴグラムから推測される「コノンバーバルコミュニケーション特性」

個性イメージ

オンライン面接が多くなっている中でも、企業にとって面接の際に注目するのは学生の「コミュニケーション力」だと思います。
「力(チカラ)」と書きましたが、「特性(又は個性))」ともいえるでしょう。誰にでも個性があるように、コミュニケーションにも「特性(個性)」があります。
自分のスタイルを理解することが面接対策の1つになると思うのです。

エゴグラムからあなたのコミュニケーション特性の自己理解が進めば、面接に生かせる事がある~そう思います。

エゴグラムから「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」の特性が分かる

まず、コミュニケーションという場合、2つに区分されると思います。

A.何を言うか=言葉の選択、言葉の構成
B.どのように言うか=言う時の表情、仕草、声の出し方、抑揚の付け方

この「B」の事を「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」と言います。
このノンバーバルコミュニケーションはエゴグラムタイプによってある程度特性があります。
先ほど紹介したタイプ別に簡単に説明しますと;

・M型=明るい社交家タイプ
笑顔が多く、陽気な話し方をする、身振り手振りが大きく身を乗り出すことが多い

・N型=控え目な献身タイプ
じっと耳を傾むけ、静かに頷くような聴き方をする、相手をいたわる様な話し方が多い

・へ字型=調整・調和タイプ
視線を相手に向けて、相手が言いやすいような雰囲気を作る、冷静に聞き、冷静に話す

・台形型=エンジョイタイプ
言う力は高く、言い方も論理的(筋道立っている)です。ただ、相手に届くように言うのではなく、あたかも独り言のように言う事が多い

・逆N字型=ボスタイプ
メリハリ、迫力のようなものがあり、相手を説得するような口調になりがちです。自分の意見と異なる事を言われると強く反論しがち

・W型=生真面目タイプ
アドリブなどはとても少なく、一生懸命考えてから言います。自問自答的な言い方(・・・で良いかな…など)が多くなりがち

~~~
以上はあくまで1つの代表的事例です。
コミュニケーションの際の表情、仕草、言い方などが分れば、それを上手にコントロールして、面接などに少しでも生かしていけるのではないでしょうか?

オンライン面接では・・・

冒頭に記したように就職活動で最も大事な選考とされる「面接」がオンライン(WEB)方式になる事が多くなっていますね。
マスク着用が多い対面式面接は表情が分かり難いですが、オンライン面接ではマスク着用はほぼ無いでしょうから表情がしっかり見えます。私も仕事でZoomなどビデオ会議を結構していますが、意外に相手の表情は分かります
言い方なども同様に結構分かります。流石に身ぶり、手ぶりなど「態度、仕草」は分かりませんが。ですので、オンライン面接とは言いながら、対面方式と同じように振る舞って良いと思います。
つまり、あなたのノンバーバルコミュニケーションスタイルはしっかり伝わるということです。だから、エゴグラムタイプ別のスタイルを自己理解しておくのは大事ですね。

★尚、オンライン面接では「目の位置」をどこに定めたら良いか困る事があるかもしれません。画面の向こうの面接官と目線が合っているかどうかが(対面式に比べて)分かり難いからです。「目線が散らばる(キョロキョロする)」と落ち着きがない=不安そうな印象を与えます。
画像の相手(面接官)の顔をしっかり見続けるようにしましょう。

(4)さいごに

就活イメージ

◆エゴグラムの定期的診断で自己変化を確認できます

就職活動は学生にとって大事な「社会行動(活動)」の1つです。
この活動を通じて成長していくことが大事で、それは実際に社会人(職業人)になった時と同じです。
成長には「変化」を伴うと思います。このエゴグラム診断はグラフとして変化を確認し易いですから、どう「成長(=変化)」したのかを確認出来るのです。2ヶ月に1回は受信すると良いと思います。
エゴグラムでは現在高い軸はそのままにし、低い軸を上げていくようにすることとあります。
それが全て整ったカタチが上図ですね。

★因みに、エゴグラムの理想形として以下のグラフがあります);

全軸が高いタイプです。言うならば・・・

厳しくもあり(CP高位)、優しくもありNP高位)、そして冷静沈着で(A高位)、でも明るくて(FC高位)、協調性もある(AC高位)

数千人のエゴグラムを拝見してきた私ですが、3名程いらっしゃいました。

◆WEBなどでの「自己診断」の結果を過信しないこと。

インターネットでは多くの自己診断サイトがありますね。
・職業適性 ・ストレス耐性 ・コミュニケーションスタイル ・基礎性格診断etc~~~

これらの診断結果は「仮説レベル」で受け止めるということです。
専門学校生の皆様は「1つの専門知識を得るのにとても時間がかかる」ことを身をもって学んできたと思います。「自分」に対する理解にも相応の時間はかかります。各種診断サイトの結果で「自分が分かりました」という姿勢は避けたいものです。
「仮説=そういう面があるかもしれない」というように受け止め、自分で検証を行って自己理解を進めていきましょう。

この記事の著者

キャリアコンサルタント/大阪人間科学大学キャリアデザイン講師西沢 敏美

経歴
  • 1954年(昭和29年)6月秋田県生まれ、明治学院大学法学部卒業
  • 1978年株式会社リクルート(当時日本リクルートセンター)入社
    住宅情報事業部、ホットペッパー事業部、メディア制作局などで営業職、企画編集職、管理職などを歴任
  • 2002年1月リクルートグループの人材紹介会社=リクルートエージェント=転籍 2002年1月リクルートグループの人材紹介会社=リクルートエージェント=転籍
  • キャリアアドバイザー職として就職、転職の支援を行う
  • 2004年末リクルートグループを退職し、2005年から人事系コンサルタントとして自営
  • 「新入社員導入研修」「リーダーシップ」「キャリアデザイン」「モチベーション」「コミュニケーション向上」など
  • 『対人・対自分スキル領域』で研修講師やセミナー運営を実施。
  • 他に 「人事制度のプランニング、導入、運用の支援」 「会議のファシリテーション」「コーチング」など。
活動実績
  • 企業の新卒採用の企画と支援
  • 採用セミナー(会社説明会)の企画立案と運営支援、インターンシップの企画立案と運営支援、事後フォロー
  • 人事に代わって一次面接実施、内定者フォロー企画など
  • 企業の人材育成研修企画立案とファシリテーターやトレーナー
  • 「新入社員導入研修」「中堅社員基礎研修」「キャリアデザイン」「リーダーシップ」「モチベーション」「チームビルディング」「マネジメント」などでプログラム作成から研修進行(トレーナー)、そして研修後の個別面談などを実施。※2019年の研修実施(受講)者数は約200名
  • 人事制度設計&運用支援
  • 大学関連大阪人間科学大学(大阪府摂津市)にてキャリアデザインⅠ&Ⅱの非常勤講師(単位認定授業)13年目
  • 他に大阪府立大学キャリアサポート室にて就職活動支援業務なども経験
資格

◆GCDF認定キャリアカウンセラー養成講座受講完了(2002年)(※キャリアカウンセラー資格は更新せず喪失)
◆西沢ファーム(和歌山県かつらぎ町の実家/農園)での研修実績
農作業体験を取り入れて企業の内定者研修、チームビルディング&チームワーク研修も実施 ※現在は事情あって開催停止しております

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